SGTC Mk.1

デトネーションキャノンを作る上では電気的な知識も大切になってきます。私は電気系に関しては全く知識がないので、勉強を兼ねて憧れのテスラコイルを作る事にしました。

参考(リンク先の動画の通りに製作します。)
https://www.youtube.com/watch?v=zbV1zyg_4qU

今回作るのは構造が単純なSGTC(Spark Gap Tesla Coil)と呼ばれるテスラコイルです。その名の通り、スパークギャップを利用したテスラコイルです。原理は、一次回路のスパークギャップに高電圧をかけることで、空気の絶縁破壊が起こり、コンデンサとコイルが接続されて直列共振回路となります。そこで発生した共振周波数と二次コイルの共振周波数を合わせる事で、一次コイルと二次コイルが誘導しあい、高電圧を発生します。
SGTCは高電圧を入力しなければならないので、高圧電源としてネオントランスや、MOT(電子レンジ用トランス)が用いられますが、初心者が扱うには余りにも危険です。なので、高電圧でありながら低電流で、感電しても問題ない(?)電源を用意する事にします。例えば、使い捨てカメラのフラッシュ基板。これを改造すれば、300V程度の交流電源が手に入るので、CW回路で2kV以上に昇圧すればSGTC用の高圧電源として使えます。ただ、そんな事をするのも面倒なので、蚊取りラケットの昇圧ユニットを使用します。これは無改造で2kV-3kVの高電圧が手に入るので利用するほかありません。というわけで、今回製作するSGTCの材料は以下の通りです。

●材料
・蚊取りラケット(2kV-3kV出力)
・エナメル線(0.26mm UEW)
・VP-20 塩ビパイプ
・フィルムコンデンサ(3.9nF,3kV)
・金属製ツマミ(トロイド)
・スイッチ
・電池ボックス
・リード線
・ボルト、ナットなど

回路図

二次コイル
0.26mmのエナメル線を密に巻き、コイルの直径と巻き取り長の比率がだいたい1:4になるように巻きます。VP-20のパイプを使用した場合、直径がφ26mmなので巻き取り長は104mmになります。厳密ではなくてだいたいで大丈夫です。私の場合は389回巻きで巻き取り長101.14mmです。仕上げに水性ウレタンニスを塗って完成です。回路図の通り、二次コイルはトロイドとシャーシアースに接続されます。

トロイド
トロイドには引き出し用のツマミを使用します。トロイドは放電しづらい球状やドーナツ状の物を用い、二次コイルのキャパシタンスを稼いだり、放電長を伸ばす目的で取り付けます。

高圧電源
蚊取りラケットから写真の高圧電源ユニットを取り出します。安全のために設置されているプッシュボタンスイッチは、要らないので短絡した方が良いでしょう。

スパークギャップ
スパークギャップはボルト、ナットなどで製作し、調整ができるようにしておきましょう。ギャップ間の距離によって、絶縁破壊の電圧が変わるのでそれに伴い、テスラコイルの放電長も変わってきます。

コンデンサ
フィルムコンデンサ(3.9nF,3kV)を3つ直列に接続し、1.3nF,9kVのキャパシタンスと耐圧を得ます。記事の通り製作する場合、耐圧に関しては最低6kVあれば良いので、それ以上の耐圧があれば何でも良いです。ただ、キャパシタンスは共振周波数に合わせて設定されているので、変更する場合は一次コイルの巻き数も変更し、一次と二次の共振周波数が合うように調整してください。また、高耐圧コンデンサというとセラミックコンデンサが入手しやすいのですが、損失が大きくスパークギャップの絶縁破壊がしにくくなってしまうので注意しましょう。

一次コイル
VVFケーブルの導線を6.5回巻きしています。22ゲージ程度のリード線の場合コイルが解けないよう固定しましょう。

組み立て
アクリル板とスペーサーで作った土台に、部品を組み付けていきます。回路図の通り配線すれば完成です。リード線は短い方が損失が少なくて良い(らしい)です。

動作
地味ですが、動作します。

今回のSGTCはPlasma Channel氏の3 volt tesla coilの完全なレプリカです。分からない所はPlasma Channel氏の動画を観て製作してください。また、私も超超ド素人ですので間違っている箇所もあると思いますが、ご了承ください。

2019/12/6~2019/12/9