Belt grinder Mk.2

ナイフメイキングに於いて不可欠なアイテム、ベルトグラインダーの二代目を作ります。初代は両頭グラインダーを改造したものですが、モーターパワーが無さ過ぎて止まりまくるので二代目はトルクと剛性を重視したマシンに仕上げていきます。Youtubeで、「beltgrinder DIY」とかで検索するといっぱい出てきますのでいくつかを参考にします。海外のBlacksmithは、基本的に幅2インチ、周長72インチのベルトを使っています。が、日本ではあまり一般的ではないので、ここでは幅50mm、周長915mmのベルトを想定して設計していきます。
モーターは単相100V、1kwのものを使用しました。6線なので、正逆切り替えが可能です。回転数の制御が可能になるインバーターも欲しかったのですが、予算的に断念。

設計はかなり難航しました。周長915mmだとどうしてもホイール同士が窮屈になります。今回製作するタイプのベルトグラインダーでは、ドライブホイールとトラッキングホイール、そしてプラテンの上下のホイールと、4つのホイールが必要となります。ベルト交換の際の余裕も必要になるのでホイールの動きをCADで確認しながら設計していきます。何とか4つのホイールを収めましたが、直径250mmほどのホローグラインド用のホイールは、ベルトの内部に収めることができませんでした。

ドライブホイールはMDFを積層して製作。木工用ボンドで接着し、シャフトブラケットを取り付けてモーターで回しながらサンダーで外周を削りました。

トラッキングシステムです。蝶番によってホイールの角度を変えることによってベルトを左右に動かします。

ハンドルのグリップは適当なパイプとボルトを溶接して製作しました。ベルト交換の際はこの部分を引き下げることでトラッキングホイールが下がり、ベルトが緩みます。

ベルトのテンションを調節するバネです。柔らかすぎると鋼材を押し付けたときにベルトが左右にズレるので適度な硬さのものを選びます。ある程度バネのストロークを調節できるようにしておくと便利です。

動画では角パイプを利用して本体部分を製作しているものが多かったのでそれに倣おうとしましたが、近所の鋼材屋では肉薄のものしか扱っておらず剛性に不安が残ります。そこで、気合を入れて9mm鉄板から全部品を削り出し、溶接して組んでしまうことに。100Vの溶接機で何とかしました。切断砥石が2箱消えました。
切削用のホイールがつくシャフトは30mm*30mmのミガキ角棒を使用しました。シャフトはクランプレバーで固定します。

加工する材料によってホイールの配置を変えることができます。