機構を理解するため、これから製作するエグゾーストキャノンのプロトタイプとして製作しました。構造は最も製作が簡単な単管式です。
銃口です。素材はA2017を利用しました。外径に3つ穴を開けてありますが、これは雌ねじを切ってメインシリンダに固定するためです。また、切ってある溝にはOリングを装着し、メインシリンダから空気が漏れるのを防ぎます。加工時は、バイトの素材がハイス(高速度工具鋼)なので切削油を指しつつ400rpm程度で切削しました。また、突っ切りを行うとへそができたり、面が湾曲したりするので、事前に端面削りで精度を出しておきます。
メインシリンダを製作します。水道管のニップルの雄ねじ部をディスクグライダーで切断し、旋盤で端面を整えました。その後、外径に3つ固定用の穴を開けて開けてメインシリンダは完成です。ちなみに、水道管のニップル内部には溶接継ぎ目がある場合もあります。シリンダ内はピストンが往復するので、半丸ヤスリなどを使用して継ぎ目を削り取りましょう。
ピストンです。メインシリンダがかなり短く、強引に作りました。写真右側から、銃口シール用ピストン、ピストンストッパー、シャフト保持具、メインピストンとなっており、最後のパーツは発射時に尾栓とぶつかるピストンへの衝撃を吸収する役割を担っています。ピストンとシャフト保持具は、まな板を切り抜いて製作しました。
ピストンをメインシリンダに挿入した様子です。潤滑及び、シーリング補助の目的でグリスを塗布しています。
ボール盤で穴を開けたキャップボルトに米式バルブを半田付けして、これを尾栓にネジで組み付けます。尾栓は銃口パーツとほとんど一緒で、中心の穴が銃口か雌ねじかの違いです。組み立て時にはキャップボルトにシールテープを適当に巻きます。
全てのパーツが揃いました!
完成品です。見た目は格好良いのですが威力が全くないのが残念です。しかし、エグゾーストキャノンの機構を理解するのには十分だったと思います。今回の反省点を生かしこれから製作を進めて行こうと思います。